祝日・勤労感謝の日は本当は新嘗祭の日です。
宮中では飛鳥時代から続く儀式の日。
おそらくその趣旨はもっともっと前から続いています。
秋の実りを感謝して天候や恵みをもたらす何かに
五穀を奉ずる収穫祭。
藁灰釉の流れ茶碗 |
岸和田城の山側・代々の藩主も折々の節句にお参りした岸城神社は
太陽を司る天照大神をお祭りしています。
そんな天照大神の親族で
大神を怒らせて天岩戸にひきこもらせ
世界が真っ暗になるきっかけを作ったり、
ヤマタノオロチ退治をした素戔嗚尊(すさのおのみこと)と
応神天皇とされる誉田別命(ほんだわけのみこと)もいらっしゃいます。
新嘗祭のこの日、
神楽の奏上に合わせて
境内で岸和田の農産物が販売され、
ほぼ毎月出店している蛸地蔵商店街手づくり市の面々と一緒に器を並べました。
蛸地蔵商店街は神社のすぐそばです。
肌寒い天気と一時間ごとにぱらぱらと落ちてくる雨粒。
農産物の販売が始まった11時に少しお客さんがありましたが、
あとは器を手に取る人もほとんどなく、
となりの蛸地蔵商店街のYマダムのうどんを食べたり、
文庫本を読んだり、フェイスブックを開いて何時半に雨雲が来るよという
Fさんのコメントに返信したりして
神楽の始まる三時を待ちます。
色玉パスタ皿 |
古いものが好きです。
神様にかかわるものも好きです。
我々に恵みをもたらす我々以上の
とてもピュアな存在が
なんに喜ぶのか。
どうしたら笑うのか。
どうすれば近づいてくれるのか。
祖先が想像力を巡らせた結果生まれた
神様をたたえる人の技。
舞と楽曲と声。
神様に関わる芸術はぶっ飛んじゃってるタイプが多いので大好きです。
人間の基準の美しさ、
雑誌の歯並びの良い笑顔や流行の奇抜なセンス、セレブ御用達の高級品も
神様の心には響きません。
日本や韓国、中国の陶器の祭器は
素朴で大胆。
しかも面白いものが多いのです。
世阿弥は
能の伝書「風姿花伝」の中で、
その境地を「面白き・珍しき・花」として、
「面白い」とは天照大神が籠っていた天岩戸からやっと顔を出したとき
大神の光で岩戸の前に集っていた神々の顔が白く照らされた
その瞬間のことを言うとしています。