2015/09/12

雨の奈良の白鳳展

 
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学生時代から愛用している鹿苑横の駐車場は終日千円。
 
 
 

 
シルクロードの東端と言われる竹ノ内街道が母校 大阪芸術大学の横を通っており、

正倉院御物の多くが運ばれたのと同じ道でよく奈良まで来ていました。



その時は奈良と和歌山の県境に近い大学から下道で一時間半、

 
今日は和歌山に近い海岸近くの工房から高速道路で一時間半。

 

狭苦しい奈良駅前を抜けるととたんに現れる

広々とした鹿苑と


いつもの駐車場が見えるとホッとします。
 
 

 
 
この穴場の駐車場が好きなのは、

博物館に向かう道沿いの鹿たちが健康的に見えるから。



ベージュの割高台茶碗(刷毛目)






行き帰りに池にある貴族の遊興のお堂で一服出来るからです。




お昼前の浮見堂には風景を眺めるバックパックを降ろした白人女性と

文庫本に目を落とす20代の女性のふたり。


いつもより混んでいたので、博物館に向かいます。



ベージュと青釉のカップ(刷毛目)



 
奈良公園でも東大寺とは反対側のこちらはいつも静かで、

 
博物館の真裏にはちょっとした原始の森もあります。
 
 

 

先に山田寺の仏頭や有名な阿修羅像のある

奈良公園の西側・興福寺の国宝館へ。

こちらを訪れるのは久しぶりなのですが、

その間に本棚に日本史の本も増え、漢文も以前より読むようになり、
iPadを購入してからは轆轤で制作をしながら
YouTubeで繰り返し歴史や宗教の講義や受験生のための日本史の映像を流していたので、

寄進した人物のこと、時代背景、碑文など漢文でかかれたものはだいたい意味が分かります。
 
 
 
 
 
以前はとても美しいとかなんてなまめかしいと
 
仰ぎ見ていたのが、

知っていることが増えたので、以前より向き合え、謎も浮き立つ。


やはり古いもの、

 今は古くなった価値観や技術が新しかった時のものは独特の輝きがあり、

 見ているだけで心が沸き立ってくるので、
 

 

良いです。
 
 
 
 
雨がだんだん強くなってきました。
 

 
 
 
目的の奈良国立博物館「白鳳展」。

古墳を作っていた時代が変わり、仏教が熱狂をもって迎え入れられたとき。

華厳な中国の仏像を参考にしながら、

仏像が日本独特のなまめかしさを加えられていった、

百年ほどの時代のものです。

あたらしいものに接した日本人と仏教の考え方の和合

もどんどん白鳳仏のカタチに現れ、

柔和な表情のものは特に素敵なものが多かったです。
 
 

きみどりの飯茶碗(リング柄)




































仏教は仏像を拝むことで幸せをうるものではなく、


人生の避けられない苦しみといかに向きあい心の平安をうるかというお釈迦さまの考え方で、
 

お経はそのアイデア集です。読経はいわばその本を音読することです。

 
 



その中の善い行いがないと報われないというアイデアのひとつは、

寺や仏像を作って寄進することで救われるんだという

上流階級のブームを生み出しました。


諸外国の先進文化を取り入れた国造りのシナリオとも合っていました。



それに祖霊や言霊を信じ、大型の古墳を作っていた日本人の考え方が合わさり、

初期寺院や白鳳仏の造形が現れました。


オリーブの葉とリングの茶碗(ピンク)



 

その素直さと仏さまを愛らしく、時には色香さえ加えてしてしまう工夫が、

我々の祖先らしくて誇らしく、うれしくなりました。



 


 
別館の中国の殷周時代~前漢時代の祭器・

青銅器のコレクションもとても素晴らしく、

閉館時間までそこで過ごしました。


白鳳の1300年前よりもっともっと古い時代のもの。

人間が、文明がより新しかったころの造形です。
 
 
 
コバルト雲の茶碗(白)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

















奈良国立博物館はもうすぐ秋の恒例「正倉院展」。

すぐそばの春日大社に今日は行けず、

一度行ってみたい唐招提寺も近くですから、

また近々きます。


器がたくさん売れればお水取りのころに温泉旅館で一泊もいいなあと

願をかけつつ帰りました。