2014/04/16

うつわが焼けるまで 器展

 
850℃で素焼きしたおよそ200個の器を
 
ひとつひとつ拭き清めて取り出します。

 
 
「Ai」のサインを書いて
 
箱に納めていきます。
 
絵付けの前にサインを書くのは、
以前よくサインを書くのを忘れて焼いてしまったから、
そして落ちやすいコバルトの顔料をできるだけ触らないためです。
 



 
 
3つの箱を部屋に運び、こたつ机の上で
 
次々絵付けしていきます。
 

 
 
素焼きした作品の取り出しに1日。
 
絵付けに2日、
 
釉薬かけと窯づめに2日。
 

 
 
ひとつでも多く入れるために
 
限られたスペースに
 
パズルのように器をはめこんでいきます。
 
 
 
 
名前を付けて愛用している中型電気窯「ミーティア号」の運転開始は夜10時。
 
蒸気を抜いて深夜1時に窯の蓋を完全に閉め、
 
朝6時に起きて手動で温度を少しづつ上げていきます。
 
 

 
 
10分以上窯から離れられないので、
 
窯の近くでブログを更新したり、
 
次の窯入れの準備をして過ごします。


 
 
夕方6時に目標温度の1250度に達しました。
 
この日は温度を少し急に上げてしまったので、
一度高い温度で15分とどまり、
少し下の温度でゆっくりねらしました。
 
二日後、西林寺の手づくり市から帰ると窯が45度に冷めていました、
 
少しまだ熱いのですが、少し窯の蓋を開けて固定し、
一時間ほど待ってから取り出しました。
 

 
 
焼く前は器と器のスキマは1~3ミリでしたが、それが大きくなっています。
 
熱の中で器が縮むのです。
 

 

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試作を重ねたアジサイ柄の器が
 
やっとうまくいきました。
 

 
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作品を取り上げると、
 
器と器のすきまに詰めた箸置きや小皿、
 
コーヒーマドラーが出てきます。
 

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今回の焼きは
 
やわらかくしっとりした雰囲気のあがりです。
 

 
 

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翌日からまた釉薬かけです。
 
 
 
 
 
窯の横の花壇から散歩中の犬をながめるのが
猫のレオ君の日課です。
 
 

 
 
窯づめが終わったのは深夜でした。


 
 
3日後、



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かけ分けたり、重ねてかけた釉薬が
 
窯の中で溶け合い、
 
素地にコバルトとまっ白い泥で描いた模様を透かしています。
 
 
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白っぽい藁灰釉は厚くかけると縮れる性質があります。


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一つだけ、勾玉様にかけて回したところに
 
縮れができた茶碗があがりました。
 
こんなふうに縮れが出たのは初めてです。


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