隣町の岬町淡輪にある「ひろしげ珈琲」さんにコーヒーカップを納品した帰り、
その近くの「岩田商店」さんにお酒を頼みに行きました。
お店の近くに車を停めて降りると、
お寺の掲示板に「手作り市出店者募集」の張り紙を見つけました。
大きな寺門をくぐると、立派な棕櫚と鐘がありました。
本堂をはさんで、ご住職の住居と30塔ほどのお墓があります。
苔むした石のお不動さんに一目ぼれしました。
呼び鈴を鳴らして要件と電話番号の入ったチラシを置いて帰ると、
夕方に携帯電話に着信がありました。
ご住職の奥様からでした。
出店の条件をお聞きすると、
「出店料は無料でお昼ごはんもご用意しています。
楽しんでいただくための手づくり市です。」
当日の朝は
春の日差しがまぶしいほどでした。
出店者さんが続々と集まり、
あちこちから
「おはようございます。」
と
「よろしくおねがいします。」
が聞こえます。
並べ終わったころ、
今度は続々とお客さんがあらわれます。
一息ついたころ、門のあたりからこうばしい
香りが漂ってきました。
「すてきーず パンの会」さんがオーブン窯で焼くピザの香りです。
ふわふわサクサクの「しらすとえびのピザ」。
美味しいものは人を簡単に幸せにしてくれます。
11時すぎから副住職によるコンサートが
始まりました。
ジブリの「魔女の宅急便」のテーマ曲を挟んで、
ビートルズを6曲。
左右に体を揺らして聞き入っていました。
ライブが終わると、大きな法衣姿のお人形を持ったご住職が現れ、
腹話術で案内を告げました。
本堂ではご住職による木魚体験会があり、子供さん用に
ウルトラマンの顔の形の木魚が用意されていました。
お昼を過ぎたころカレーが振舞われました。
私が畳のお部屋で食べているあいだに
店番をしてくれたのはご住職の奥様でした。
閉会まで一時間を切りお客さんが少なくなったころ、
自分の場所を出て気になっていた作品を見に行きます。
さらさらとした手触りの流木で作られたベンチと
愛らしいクロネコ柄のヘアバンドを買いました。
どちらも手作りなのに安くて、
使うところを想像するととてもうれしくなりました。
2時には片付けが始まり、
器をコンテナに詰めていきます。
最後は荷物のかさばる私と
さっきの流木の木工作家さんご夫妻でした。
西林市のある岬町淡輪は歴史のある海の町です。
淡輪駅のすぐそばには大きな鍵穴のかたちの古墳、
海のちかくに武家淡輪氏の屋敷のあとがあります。
漁港の先には高い堤防が続いています。
西林寺の手づくり市は二年に一度。
次回開催はまだ未定だそうですが、
またの機会がほんとうに楽しみな手づくり市です。