2014/03/07

一年生の庭と窯出し 器展

 
 
木曜日の午後、ハーブの苗が届きました。
 
効能や植え付けに適した環境は予習済みです。
 

 
 






新工房で初めて窯焚きをした初秋、
 
窯を置いた亡祖父の家の西側のスペースは陽の光が眼に痛いほどで、
 
太陽が背中を焼く午後はとても絵付けや釉薬かけができませんでした。
 

 そこは十分な日照が不可欠な大輪の菊を祖父が育てていた場所でした。

強く風が当たるところでもあり、
 
思いついたのは藤棚を設けて日よけにし、
さらにフェンス沿いの細長い花壇にブロックを積み上げ、
防風になる木を植えることにしました。
 
 

 

 釉薬をかけたり絵付けをしたりと、
心地よさを器に編みこんでいくための場所なので、
 
定番の生垣用の木をずらっと植えたり、「素敵なガーデニング」にするつもりはなく、

作ろうと決めたのはルネサンス絵画につながるような雰囲気です。
 



 

 芸術に真剣に取り組むようになったのは中学生の時に
 
ルネサンスの画集を手にしたときからでした。

 
 
 

 九州から取り寄せた二本の「ミルトの木」。ビーナスと共に描かれる美の女神の象徴です。梅に似た白く清楚な花を咲かせることから和名は「ギンバイカ」。古代から肉の香りづけに使われている小さな葉は擦ると強く香りが立ちます。
 
他にも桃のようなつぼみが付くつる薔薇や小さめの八重咲きの白薔薇はあの絵の中にあるのとそっくりなもの。
 
 
 


 
 
カリンに似た黄色い実を付ける「マルメロの木」の苗。
まだまだか細いですが、神々の食べ物とされる「黄金の林檎」の木にみたてられます。
古代はこちらが林檎と呼ばれていたので、
アダムとイブが食べたのもこのマルメロの実だったと言われています。
 
 
それらの木の下にはギリシア神話の黄泉の国の花と呼ばれるオダマキや
 
 
 
 

私の色である青の花をつけるゼラニウムなどを植えていましたが、
 
まだまだ隙間があります。

 
そこに野原の雰囲気と歴史の本に出てくるイタリア寺院の薬草園のイメージ、
お茶と香辛料代わりという実益を含めて、
 
いろんなハーブも植えてこうという算段です。
 
 

多くの苗は寒さが落ち付き、
しかも暖かくなる前に植え付けなければなりません。

いくつかは鉢うえにしたいと思って、
 
一昨日の窯焚きでは
植木鉢もたくさん焼いておきました。

 
 
窯の温度をみると53度、
窯を開けるにはまだ少し熱いのですが、
とりあえず上段に詰めた鉢を取り出してハーブを植えました。

 
 
 
植え終えてから他の器も出していきます。
 
 
 
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カレー用にしたいという2つのおおきめの深い皿は
近所の焼肉屋の常連Sさんのご注文です。

 
 
試作品のアジサイ鉢はまだ線にのびやかさが足りず、
おぼこい表情ですがその分初々しさがあります。
 
 
 
 
 
 
一つだけ青い縁取りをするのを忘れていたのことが
焼いてから分かります。
 

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器のかげにはさえずるような小鳥の箸置きが隠れています。
 
 
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今日植え付けたハーブの中には
「キャットニップ」
というものがあります。
 

 
 
マタタビと同じ効果を持つハーブで、
うちの猫に気に入ってもらえばと思って買いました。
 
窯のすぐ近く、レオ君がいつも
しゃなりとして散歩中の犬を見下ろすポイントのそばに植えました。



 
 
 
気に入ってくれたようです。
 
 
アジサイ皿は写真をみたflour bee*cafeのこずえさんが
購入してくれました。
 
数日後、facebookにこの写真がUPされました。
 
 
素敵な新作、さっそく使ってます!
めっちゃお気に入りです♥
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