Aiko Sanogawaya Bowl Exhibition Daiku-shokudou [the local restaurant ]on google map
※大工食堂は2013年6月に惜しまれつつも閉店しました。
※大工食堂は2013年6月に惜しまれつつも閉店しました。
旧青空市場のそば、住宅の間の細い路地を入った先に
昭和のおもかげを残した食堂があります。
木の葉どんぶりや親子丼、ドライカレーに肉うどん、出し巻き等
短冊にさらさらと書かれて壁に掛けられています。
この日に選んだのはオムライス。お願いして持ってきた器に乗せていただきました。
ごく近所にある食堂なのですがここを発見したのは
自宅で陶芸をするようになってしばらく経ってからのことです。
それほど見つけにくい場所にあり、
古き時代のよきものことを知る店主が居ます。
大将を通じて身近な場所から失われつつある美しいものを知り、
「D理論」と呼ばれるよきものごとの法則から創作のヒントをいただき、
アイデアや近況をここで話すと絶妙な合いの手や知識の泉から出来事の関係が整理されアイデアの必然性が見えてくるという、
私にとっては心のクスリを頂くお堂のような存在です。
このグーグルマップを使った器展のアイデアを最初に話したのもこの場所です。
進捗状況の報告とともに、
器をあちこちに置いているうちに気になったことをぽつりぽつりと話します。
私が8歳のころまでこの食堂の近くに海と堤防があり、
幼少時には祖母に手をひかれ毎日のように通った青空市場がありました。
その堤防沿いのテトラポットで遊んだ記憶は強く残っているのですが、
海に絶対に近づいてはいけないとの戒めからか、
海の景色や波打ち際がどのようであったかという記憶が全くないのです。
それを聞いて大将は地図を描きながら、どんどん私の記憶の穴を埋めてくれました。
その特徴はおぼろげな記憶と重なっていきました。
そして実は関空開港に伴うの開発ラッシュの波に消えた
泉佐野の浜の映像があると言います。
そこには記憶の先に広がる海と波がありました。