町並みからわずか半時間、
岸和田の海から山に繋がる塔原線の終点は
深い森の中を流れる清流です。
和泉層群と呼ばれる白亜紀後期の地層がむき出しています。
化石採集会では何個もナノナビスという貝の化石を見つけました。
夏にはキャンプ客でにぎわう一角も
今は水の音だけになっています。
水鉄バスのベンチはどれも朽ちかけています。
終点、蕎原停留所。
大阪のテレビでは
水間鉄道の女性社長の奮闘がしばしば放送されます。
有名な水間観音の参道鉄道・バスとして長年親しまれておりましたが、
このあたりは過疎化があり廃校となった学校もあります。
一時会社再生法の適用を受けました。
学校は「ほの字の里」として温泉宿泊施設になっています。
道路には川と並行する区間があります。
この日池は水を抜かれていて湖の風格は無いものの、
二人のおばあさんがベンチに腰掛けていました。
愛らしい甲高い声が青い空と青い湖面の間に響いていました。
南海岸和田市駅前、ドラッグストアの前に
大きなくすのきが立っています。
花壇のまわりがベンチになっています。
冬の午後、冷たい大理石のベンチに座る人は無く、
花壇のサザンカが目にあたたかく映えました。
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