本殿にいらっしゃるのは天神さま、菅原道真公です。
土生神社の阪井宮司によると、
道真公の祖先は古墳に欠かせない埴輪を発明したと伝えられる土師氏で、ここ土生にも土師氏がいたとの伝承があるそうです。土生(はぶ)と埴輪という言葉も関連があり、
岸和田市内の蔵や旧家の軒先で展示していた私にお声がけを下さったそうです。
お稲荷さんの横から森に入ります。
無数の葉が頭上で触れ合う音。
木から離れた葉が
落葉の海に落ちる乾いた音。
参拝する人の、二度続けて聞こえる拍手。
いななく鳥の声。
二本の木の間に並べた茶碗や鉢は
この展示の前日に窯出ししたものです。
鳥の汲み出し茶碗(オリーブ柄) (雲柄) |
空は雲ひとつ無い青空ですが、
深く重なった枝葉の隙間をくぐってくる
射光は多くありません。
そのひとつが浅鉢に落ち、
揺れています。
スポットライトのようですが、
照らす器は気まぐれで、
吹く風に揺れ続けています。
雲がら大鉢23.8cm |
風が吹くと一斉に森がざわめき、
古い葉がふるい落とされ
降り積もっていきます。
森のいちばん奥、
絡まっている二本の巨木が
ここ土生神社のご神木です。
足下には次の百年の森をつくる
幼木が育っています。