紀州街道 K邸前 佐ノ川谷藍子 器展
2011年2月~(二ヶ月に一回)岸和田市
KISHUU Highway Aiko Wheel Bowl Exhibition
2011 February~(Once every two monthes)
MAP
と上着を着て梳かれた白髪のKさんは絵にかいたような紳士ですが、
となにかと気を遣ってくれます。
Yさんの旦那さんが手に余るほどの数のおもちと
とYさんが聞いてくれ、Yさんの旦那さんに
人数分のおもちが七輪の上で焼かれます。
2011年2月~(二ヶ月に一回)岸和田市
KISHUU Highway Aiko Wheel Bowl Exhibition
2011 February~(Once every two monthes)
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This old japanese house faces Kisyuu Highway[紀州街道].
Kisyuu highway is the traditional road that had conected Osaka and Wakayama in Edo period.
日曜日の朝、器と折りたたみの棚で満杯にした軽自動車で岸和田市南町の角を曲り、 この荷車や人がすれ違うのにちょうどの幅の道に入ると、 角のマンション下でエプロン姿のYさんが手作り市とワークショップの準備をしています。 ここ泉州を貫いて豊かな紀伊と堺・京都の町々を足で繋げてきました。 美しい格子戸のあるKさんの家の前で指示器を出して 車を降りると、挨拶はいつもYさんに先を越されてしまいます。 おはよー。今日は早いね! すぐ近くで開催される「蛸地蔵商店街手づくり市」ではYさんが ひとつひとつの机に商店街の名前が入った赤い垂れ幕を張ってくれます。 私のブースのベニヤ机に幕のズレを直しながら押しピンを何個も押し当てるそんな間に、 藍子さんの器に合う場所がうちの近くにあるの。 軒先で雨でも平気だし、 うちのマンションの手作りショップのワークショップの日に器を並べたらと思って。 と誘っていただいたのは 岸和田の商店街の空き店舗や古い蔵で展示するようになり一年が経ったころでした。 |
器を並べていると、玄関の格子戸が開いて
この家で暮らすKさんが出てきてくれます。
中でいろいろ書きものをしていたもので、すいません、
と上着を着て梳かれた白髪のKさんは絵にかいたような紳士ですが、
この格子戸を背にするとほんとうの絵になります。
「こちらこそ日曜の朝でお声掛けせず、すみません。」
ごあいさつの口上を述べると
あかぬけたイントネーションで、
ええ、
ええ、
と一言ひとこと肯定を込めて丁寧に相槌してくれます。
そして家の前に並んだ陶器を見渡してから、
この植木鉢をどけようか、
車はあそこに停めると良い、
となにかと気を遣ってくれます。
はすむかいのマンションの下にある空きテナントではYさんとお友達の手作り品が並び、
その横で「おらっとや」さんがコンロで焙煎してコーヒーを点てています。
次々にお客さんを迎えて、
ご自身で育てて収穫した小麦のクッキーや野イチゴのマフィンを勧めてくれます。
こうばしい香りと会話の中で一服していると、
Yさんの旦那さんが手に余るほどの数のおもちと
お醤油を持ってオートロックの扉から出てきました。
藍子さん、おもち食べるね?
とYさんが聞いてくれ、Yさんの旦那さんに
人数分のおもちが七輪の上で焼かれます。
この日の面々の中では私が一番こどもなので、
一番最初に焼けたおもちは私に回ってきました。
醤油の香りに焦げ目がしっかり入ってふくれています。
ほうばって旦那さんと近況などを話していると、
格子戸の器の前で立ち止まっている人に気づいて、
10メートルほどの距離を駆けつけてあいさつします。
道の少し先には大きな灯篭があり、その角を覗くと
日本一の地蔵堂と言われる「天性寺」が見えます。
今は改修工事の最中で、地蔵堂の前にはオレンジと黒のしましまのフェンスが立てられ、
岸和田城のお堀から出てきたという
ご本尊のお地蔵様を拝むことはできません。
車を取りに行く際に立ち寄ると、
手水舎が新しく、すっかり仕上がってしました。
工事はもうすぐ終わるそうです。 |